鏡にウロコがついていると、見た目が悪いのはもちろん、鏡の映りが悪くなって本来の役割を果たせなくなります。鏡のウロコは、適切な方法で対処すればすぐに落とせるので、鏡面の汚れが気になるときは早速お手入れしましょう。
本記事では、鏡にウロコができる原因や、ウロコの正体、鏡のウロコを落とす方法と掃除中の注意点をご紹介します
目次
ウロコができる原因
鏡にウロコができる原因は、大きく分けて3つあります。
1. 水はね
水は無色透明ですが、鏡についてからしばらく時間が経つと、だんだん白っぽい色に変化していきます。鏡はお風呂場や洗面所といった水場に設けられていることが多いため、普通に使っていても水はねが起こりやすく、短期間でもウロコができることがあります。
2. 石けんはね
お風呂場や洗面所で使った石けん類の泡や液が鏡に付着すると、ウロコができる原因になります。ここでいう石けん類とは、固形石けんのほか、ボディソープやハンドソープ、シャンプー、コンディショナー、洗顔料なども含まれます。
3. 誤った鏡掃除
鏡掃除の方法を誤ると、鏡面がキレイになるどころか、ウロコがついてかえって汚れる原因になります。掃除した直後はキレイに見えるため、ウロコが発生する原因が誤った鏡の掃除方法と気付かず、悪循環に陥るケースも少なくないようです。
ウロコの正体
鏡のウロコの正体は、水道水に含まれる不純物です。不純物は2種類あり、まず1つ目が水道水の消毒に用いられるカルキです。カルキとは塩化石灰のことで、カルシウム化合物に区分されます。2つ目はナトリウムやカルシウム、マグネシウムといったミネラル分で、これらはもともと原水に含まれるものです。
これらの不純物は非常に粒子が細かいため、水道水に含まれている状態では肉眼で確認することはできません。鏡についた水分が時間経過と共に蒸発すると、カルキやミネラル分だけがその場に残ります。当初は目立ちませんが、何度も水分の蒸発が起こると、不純物が堆積し、名前の通りウロコのように重なっていくのです。
不純物の厚みが増すと、白っぽい跡が肉眼でも確認できるようになり、鏡のウロコとして認識されるようになります。また、石けん成分もウロコの正体のひとつです。鏡に付着した石けんの泡が蒸発すると、白っぽい石けんカスだけがウロコとして残ります。
なお石けんカスには、金属石けんと酸性石けんの2種類があります。金属石けんとは、水道水のミネラル分と石けん成分が混ざり合ったものです。酸性石けんとはミネラル分と皮脂が混ざったものを指します。
いずれもウロコの正体のひとつですが、金属石けんと酸性石けんでは汚れの性質が異なるため、石けんカス由来のウロコを落とすときにはそれぞれの性質に合った方法で掃除をする必要があります。
鏡のウロコを落とす3つの方法
鏡のウロコを落とす方法は大きく分けて3つあります。
- クエン酸で落とす
- お酢で落とす
- 重曹で落とす
それぞれの方法で必要なものや、具体的な手順をご紹介します。
クエン酸で落とす
クエン酸とは、酢や柑橘類などに含まれる酸味成分のひとつです。酸性の性質を持っているため、その反対のアルカリ性の性質を持つウロコに使用すると、成分が中和されて汚れを落としやすくなります。
必要なもの
クエン酸で鏡のウロコを落とす際に必要なものは以下のとおりです。
- クエン酸
- スプレーボトル
- キッチンペーパー
- ラップ
- スポンジ
- ゴム手袋
- 乾いた布
掃除手順1. クエン酸液を作る
スプレーボトルに適量の水とクエン酸を入れて混ぜ、クエン酸液を作ります。水とクエン酸の割合は、水100mlにつき小さじ1/2のクエン酸を入れるのが目安です。 なお、汚れに応じて濃さは変えましょう。
掃除手順2. ウロコにクエン酸液をスプレーする
鏡のウロコに対してクエン酸液をまんべんなくスプレーします。クエン酸は自然由来の成分ですが、肌が弱い方は皮膚が荒れるおそれがあるので、ゴム手袋を着用しましょう。
掃除手順3. キッチンペーパーとラップでパックする
クエン酸液が落ちないうちに、キッチンペーパーを鏡に貼り付けます。その上からさらにクエン酸液をスプレーしたら、蒸発防止のためにラップで覆います。
掃除手順4. 放置後、こすり洗いしてからすすぐ
2~3時間ほど放置 したら、ラップとキッチンペーパーを取り除き、スポンジを使ってウロコをこすり落とします。鏡の全面を洗い終えたら、シャワーを使うか、あるいは濡らして固く絞った布を使ってクエン酸液と汚れを落とします。
掃除手順5. 乾いた布でから拭きする
仕上げに、乾いた布でから拭きし、水気を取り除けば完了です。
お酢で落とす
上記で紹介したクエン酸はお酢にも含まれているので、クエン酸が手元にない場合はお酢で代用できます。
必要なもの
- お酢
- スプレーボトル
- キッチンペーパー
- ラップ
- スポンジ
- ゴム手袋
- 乾いた布
掃除手順1. お酢の希釈液を作る
スプレーボトルに適量の水とお酢を入れて混ぜ、希釈液を作ります。水とお酢の割合は1:1が目安です。
掃除手順2. ウロコに希釈液をかけ、キッチンペーパーでパックする
ゴム手袋を着用したら、クエン酸を使った場合と同じように、スプレーボトルで希釈液を鏡のウロコにまんべんなくかけ、上からキッチンペーパーを貼り付けてパックします。その上からさらに、希釈液をスプレーします。
掃除手順3. ラップを掛けて放置する
キッチンペーパーの上からラップを貼り付け、約2時間ほど放置します。
掃除手順4. こすり洗いしてからすすぐ
放置後、ラップとキッチンペーパーを取り外し、シャワーですすぐか、または濡らして固く絞った布で希釈液と汚れを拭き取ります。
掃除手順5. 乾いた布でから拭きする
仕上げに、乾いた布でから拭きし、水気を取り除けば完了です。
重曹で落とす
重曹とは炭酸水素ナトリウムのことで、掃除のほか、ベーキングパウダーの主成分として食品にも使われている成分です。弱アルカリ性で、酸性の汚れと混ざると中和作用を発揮し、汚れが落としやすくなります。また、細かく丸い粒子をしているため、こすり洗いすると研磨作用を発揮するのも特徴のひとつです。
必要なもの
- 重曹
- 容器
- ヘラ
- ラップ
- ゴム手袋
- 乾いた布
掃除手順1. 重曹ペーストを作る
適当な容器に水と重曹を入れてヘラで混ぜ、重曹ペーストを作ります。重曹ペーストは、重曹と少量の液体石鹸(または少量の水)を混ぜて作ります。
掃除手順2. 重曹ペーストを鏡に付ける
ヘラを使って重曹ペーストを鏡のウロコに塗っていきます。ヘラを使わない場合は、ゴム手袋を着用した上で、手で付ける方法もあります。
掃除手順2. ラップを使ってこすり洗いする
適当な長さにカットしたラップをくしゃくしゃに丸め、鏡をこすり洗いします。くるくると円を描くようにこすっていくのがポイントです。
掃除手順3. 重曹ペーストと汚れを洗い流す
シャワーですすぐか、あるいは濡らした固く絞った布を使って鏡に付着した重曹ペーストと汚れを取り除きます。重曹ペーストは粘性があるので、成分が残らないよう、念入りに洗い流しましょう。
掃除手順4. 乾いた布でから拭きする
仕上げに、乾いた布でから拭きし、水気を拭き取ったら完了です。
ウロコ掃除の注意点
鏡のウロコを掃除する際に注意したい点を3つご紹介します。
1. クエン酸や重曹は素手で触れないようにする
クエン酸や重曹は比較的低刺激の成分ですが、肌が弱い方が使用したり、長時間皮膚に触れたりすると肌荒れを起こすことがあります。鏡のウロコ掃除をするときは、なるべくゴム手袋を着用し、クエン酸や重曹に素手で触れないよう配慮することをおすすめします。
2. クエン酸、お酢を使った掃除前後は塩素系洗剤の使用を避ける
塩素系洗剤と酸性洗剤が混ざると、人体に有害なガスが発生するおそれがあります。塩素系洗剤を使った直後、あるいは直前に、クエン酸やお酢を使用したウロコ掃除を行うのは控えましょう。
できればそれぞれ別日に行うのがベストですが、同日に使用したい場合は、どちらか一方を使った後、ある程度の時間を空けて室内を十分に換気してからもう一方を使用します。
3. 汚れの性質に合わせて掃除方法を選ぶ
汚れの性質は、酸性とアルカリ性の2つに分類されます。それぞれの汚れを落とすには、汚れの性質とは逆の性質を持つ洗剤を使用し、汚れを中和させなければなりません。
たとえば水道水の不純物や、ミネラル分と石けん成分が混ざった金属石けんカスを由来とするウロコは、アルカリ性の性質を持っているため、クエン酸やお酢といった酸性の洗剤を使って汚れを落とすのが効果的です。
一方、ミネラル分と皮脂が混ざり合った酸性石けんカス由来のウロコは酸性の性質を持っているので、重曹などアルカリ性の洗剤を使うと効率よく汚れを落とせます。
状況によっては、酸性とアルカリ性両方のウロコがついている場合もあるので、酸性の洗剤で洗ってもウロコが落としきれなかった場合は、アルカリ性の洗剤で二度洗いしてみましょう。
鏡のウロコは身近にあるもので掃除できる
鏡にウロコがつく原因は、水道水の不純物と石けんカスです。ウロコは堆積するほど頑固な汚れになるので、クエン酸やお酢、重曹など、身近にあるものを使って定期的に掃除する習慣をつけましょう。
ウロコ掃除をする際は、素手で洗剤に触れない、掃除前後に塩素系洗剤を使用しないなど、いくつかの注意点を押さえて作業することが大切です。また、汚れの性質は酸性かアルカリ性かによっても異なります。汚れに応じた掃除方法で、鏡をいつでもキレイな状態にしておきましょう。
東京ガスの洗面所クリーニングはこちら
※東京ガスの洗面所クリーニングは、洗面所の鏡のウロコ取りは行っておりません。
引用元:東京ガスのハウスクリーニング