壁紙にできたカビは落とせる?カビの落とし方、対策方法を解説

カビは、日々の暮らしのなかで気を付けたいもののひとつです。年間を通して湿度が高い地域である日本では、カビに対して十分に気を付ける必要があります。カビは湿度が高い環境を好み、条件が整うとあっという間に繁殖してしまいます。

カビは菌類の1種であり、人体にも悪影響を及ぼす可能性があるなど、決して好ましいものではありません。一度発生すると気づかないうちに広がってしまうこともあり得るため、発生させないようしっかり予防しましょう。

また、カビの発生後の対処法についてもあらかじめ確認しておくことが大切です。

本記事では、住宅の壁紙に発生してしまうカビについて、落とし方や対策方法を詳しく解説します。

目次

壁紙にカビができる原因

壁紙にカビができる原因

カビは高温多湿な環境を好みます。そのため、住宅のなかではとくに風呂場や洗面台、トイレ、キッチンといった水を多く扱う場所で発生しがちです。しかし、日本は年間を通して湿度が高いため、上記のほかに壁紙にもカビが発生する場合があります。

カビが発生する具体的な条件は、以下の2点です。

  • 湿度70%以上
  • 室温20度以上

これらを踏まえ、住宅の壁紙にカビができる主な4つの原因について見ていきましょう。

1. 換気不足

住宅を建築するうえで注意されていることの1つに気密性が挙げられます。気密性が高いと外部から空気が入ってきづらいため、換気が不十分となってしまいます。とくに、近年では気密性が比較的高い住宅が多いため、意識的に換気を行わないと室内の湿気や室温が外気と循環しにくくなります。

カビというと、湿度や温度が高くなりがちな夏場が思い浮かぶかもしれません。しかし、外が寒いために窓を閉め、暖房などを多く使う冬場も、生活のなかで換気をこまめにしなければあっという間に室内の湿度は上がっていってしまいます。

壁紙にカビを発生させないために、日頃からこまめに換気を行うよう意識しましょう。

2. 結露

結露は、室内と外気の温度差があるために、窓などに水滴がつく現象をいいます。室内の空気が外気で冷え切った窓に触れて水滴となる仕組みです。たとえば梅雨の時期はとくに湿度が高い季節なので、比較的結露が発生しやすくなります。

それ以上に気を付けたいのが冬場です。寒ければ当然窓を閉めて暖房を使用しますが、部屋が温まればそれだけ結露が発生しやすくなります。加えて、冬場に使用されるストーブやヒーターのなかでも、とくに燃焼系ヒーターを使用すると水蒸気が多く発生するため、さらに結露が発生しやすくなるでしょう。

3. 雨漏り

屋根裏など見えにくい部分が原因となってカビが発生している可能性も考えられます。基本的にはカビが発生しないように工夫された作りになっていますが、雨漏りによって水分が侵入したために、それが天井をつたって壁紙にカビを作ってしまいます。

雨漏りのほか、上階の水回りの不調が原因の水漏れが起因となる場合もあるでしょう。カビだけでなく住宅の安全という観点においても危険ですので、雨漏りや水漏れには十分に気を付けてください。

4. 壁に付着した汚れの放置

一見すると白くてキレイなままに見える壁でも、実はかなり汚れが付着している場合があります。汚れは主にホコリや手アカ、そして油汚れです。キッチンで調理をすると、そのなかで出てきた油が水蒸気に乗って壁紙に付着してしまうためにできてしまう汚れです。これらの汚れは、カビが繁殖する際に格好のエサとなります。

壁の材質とカビの落とし方

カビの落とし方

壁紙に発生したカビを落とす際は、その材質がポイントとなります。壁紙の材質を大きく2つに分けて適切な方法で対処しましょう。

その分け方とは、壁紙が水分を吸うか、あるいは吸わないかです。多くの場合、洗面所やキッチンなどで使用される壁紙は、カビ対策のために水分を吸わないケースが多いとされています。一方で主に和室で使用される布クロスや漆喰は水分を吸いやすいです。

1. 水分を吸わない壁紙なら比較的掃除が簡単

水分を吸わない壁紙なのであれば、洗剤や布巾を用いた拭き掃除で簡単にカビを落とせます。用意するのは以下4点です。

  • 手持ちで使用できるモップ
  • 掃除用布巾
  • 歯ブラシ
  • カビ用の塩素系漂白剤

使用する塩素系漂白剤はジェル状のものを用意してください。壁紙に対して使用するため、ジェル状のものであれば使いながら垂れていきません。

まずは、表面のホコリを落としましょう。手持ちのモップで壁紙の表面に付着しているホコリを取り除きます。続いて雑巾を濡らして壁紙を拭きます。このとき、できるだけきつく絞って余計な水分を落としてから拭くのがポイントです。なお、使用した雑巾は使いまわしせずに捨てましょう。

汚れが目立つ箇所に、塩素系漂白剤を塗ります。あとは別の布巾で水拭き、そして乾いた布巾で丁寧に拭き取りましょう。

なお、漂白剤を使用する都合上、色落ちする可能性があります。使う前に漂白剤で壁紙の色が落ちてしまわないか確認しましょう。

2. 水分を吸う場合は専用のアイテムが必要

水分を吸収しやすい壁紙だと、一般的な漂白剤は使用できません。専用の掃除アイテムを用意しましょう。近年では、便利に壁紙のカビを落とせるアイテムが数多く登場しています。

基本的にはスプレー形式のものが多いです。とくに便利なものであれば、壁紙に専用洗剤を吹きかけるだけで掃除ができてしまいます。その後の拭き掃除も一切必要ありません。洗剤がカビを落とし、時間の経過とともに乾けば無害な成分に変化します。

【壁の材質別】最適なカビの落とし方

【壁の材質別】最適なカビの落とし方

壁紙に限らず、壁にはカビが発生することがあります。

ここでは、壁の材質ごとに最適なカビの落とし方を紹介します。

1. 布や紙の壁紙

布や紙といった材質の壁紙は、当然水分をよく吸収するため、洗剤を使用できません。こすって落そうとするものなら、毛羽だったり色が落ちたりしてしまいます。

こういったタイプの壁紙は、水だけで濡らした布巾をできるだけ固く絞り、やさしくカビを拭き取るのが最適です。

2. 土壁や漆喰

和室に多い土壁や漆喰は、壁紙に継ぎ目がないため、すぐに判別がつきます。壁紙の性質としてはカビができにくい素材に分類されますが、それでもできてしまうことがあります。

布や紙と同じで水分を吸収しやすいので、漂白剤などは使用できません。専用の洗剤や水で濡らして固く絞った布巾でカビを落としましょう。力を入れすぎると、表面が崩れてしまう恐れがあるので注意が必要です。

3. 木材

天然素材をふんだんに使用したような木材の壁紙の場合、カビの対処はできるだけ速やかに行うべきです。壁に対して水を吸い込みやすく、奥の方までカビができてしまうと対処は極めて困難になります。

表面にカビの発生が確認されたら、速やかに布巾で拭き取りましょう。壁用の専用洗剤のなかには木材専用のものもあるため、それらを使うのも効果的です。

カビの対策方法

カビは決して清潔なものではありません。発生したら速やかに対処することも大切ですが、何よりあらかじめの予防が重要です。カビは表面だけにできているように見えても、実際には壁紙の裏側にまで侵食してしまう恐れもあります。

日頃から、カビができてしまわないように対策を講じましょう。

1. こまめな換気

カビが繁殖するためには、湿度や温度が高く、エサが重要となります。こういった条件を整わせないことが、何よりもカビ対策で大切です。まずは、こまめに換気を行うことを心がけましょう。

とくに、冬は暖房や加湿器を使用する関係で室内が高温多湿になりやすい時期です。できるだけ換気を行い、カビができにくい環境を整えましょう。

2. 結露を取り除く

冬場は室内と外気の温度差によって結露が発生しやすいです。とくに、水蒸気を多く出すガスファンヒーターを使用する場合は気をつけましょう。結露はカビができる原因ですので、積極的に取り除きます。

結露ができてしまわないように、また室内の湿度を下げるために除湿機を活用するとよいでしょう。加えて、発生した結露は速やかに取り除くことが大切です。

窓にできた結露は見ればすぐわかりますが、壁紙に付着するとなかなか気づきにくいかもしれません。意識的に確認しましょう。

3. 雨漏り対策

雨漏りに対する対策も結果としてカビの予防につながります。そのほか、木材の腐食によって住宅が極めて危険な状態になるかもしれません。雨漏りや水漏れが確認されたら、速やかに住宅の管理人や専門の業者に連絡しましょう。

4. 壁紙をこまめに掃除する

カビが繁殖するためには、エサが必要です。付着したホコリや手アカ、油汚れをエサとしてカビは繁殖します。よく触る壁紙や壁を中心に、日頃からこまめな掃除を心がけましょう。

ホコリに関しては、手持ちのモップを用いて簡単に掃除が可能です。このほか、壁紙にアルコールスプレーを吹きかけておけばカビ予防につながります。掃除後にアルコールスプレーを吹きかけてカビ対策をしましょう。

日頃からこまめなカビ予防が大切

カビによって人体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。壁紙の材質によっては、カビができやすい場合があるため、発生した際には大事になる前に速やかに対処しましょう。

壁紙にできたカビを放置してしまうと、もっと奥の方まで侵食してしまい、簡単には落とせなくなる恐れがあります。

掃除も大事ですが、日頃からこまめに換気するなどして、予防策を講じることが大切です。
カビが発生しづらい環境を整えることと、発生後になるべく早く対処するよう心がけましょう。

引用元:東京ガスのハウスクリーニング