雨漏りが起きた際は屋根の修理が必要です。しかし外側からの作業は素人には難しく、危険も伴います。内側からであれば危険も少なく、外が雨でも対処可能です。ここでは内側からできる雨漏りの応急処置や修理方法を紹介します。
雨漏りが起こる原因は?
そもそも雨漏りが起こる原因はどこにあるのでしょうか。根本的な原因はいくつか考えられます。
雨漏りの原因は3種類
雨漏りは主に次の三つが原因で発生します。
- 経年劣化
- 施工不良
- 自然災害
雨漏りの多くは経年劣化によるものです。建物は屋根の建材、防水シート、外壁塗装の三つで雨漏りを防いでいますが、それぞれが月日とともに劣化し雨漏りが発生します。
この場合は小規模であれば内側からの修理で対処可能です。ただし内側からの修理では根本的な原因の解決にはならないため、対処後に建材や防水シートの交換、再塗装を依頼しましょう。
また新築やリフォーム後の建物で雨漏りが発生する場合は、施工不良が原因と考えられます。この場合内側からできることは応急処置のみです。処置が完了したらすぐに業者に連絡し、対応してもらいましょう。
自然災害により屋根がダメージを受けて雨漏りするケースもあります。この場合もまずは内側から応急処置を行いましょう。自然災害が原因であれば火災保険を利用し屋根を修理できます。保険対応の業者に確認し、修理を依頼しましょう。
雨漏りが起こりやすい場所は?
雨漏りが起こる場所は屋根だけではありません。ここでは雨が起こりやすい場所についてお伝えします。
雨風の影響を受けやすい屋根
屋根は雨風や紫外線などの影響を日々受け続けています。日々のダメージで屋根材や防水シートの劣化が進み、雨漏りが発生するのです。天井からポタポタと水滴が落ちてくる場合は、屋根からの雨漏りの可能性が高いでしょう。
また台風などの自然災害により、雨漏りを引き起こすこともあります。雨漏りの度合いによって、補修で様子を見るか修理を依頼するか見極めましょう。
防水シートの劣化で起きるベランダ
日頃から利用することが多いベランダも、雨漏りが発生しやすい場所です。日々の利用で防水シートや防水塗装が劣化し、雨漏りが発生します。ベランダの防水加工は耐用年数がおよそ5年と短いので注意しましょう。
加えてベランダは、排水口の詰まりが原因で雨漏りが発生する場合もあります。水が流れず、劣化が進むことで雨漏りの原因となります。そのため排水口は定期的に掃除しましょう。
ひび割れから雨漏りが起こる壁
塗装・シーリングの劣化や外壁のひび割れが原因で、壁から雨漏りが起こることもあります。強風の吹き付けによって雨水がひびから侵入し、雨漏りとなるのです。壁に染みができている、雨の後カビ臭さを感じる場合は壁からの雨漏りが考えられます。
壁からの雨漏りを放置していると建材の木が腐ってしまうため、早急に対応しましょう。劣化が軽度であればコーキング剤を使うことで処置できます。
隙間から漏れる窓
窓から雨漏りが発生する場合もあります。窓の隙間を埋めているコーキング剤が劣化したり、窓と窓枠が合っていなかったりすると、隙間から雨水が入り込むのです。
雨が降ると窓のサッシ周りが水浸し、結露がひどい、窓周りの壁に染みができている場合は窓からの雨漏りを疑ってみましょう。コーキング剤が足りない場合は補充して隙間を埋めると雨漏りを防げます。
窓と窓枠が合っていない場合は施工不良が考えられるため、業者に連絡し対応してもらいましょう。
内側からできる雨漏りの応急処置
雨漏りは応急処置しなければ二次被害につながる場合があります。まずは内側からできる応急処置をしましょう。
応急処置を終えたら、すぐに業者に雨漏りの修理を依頼する必要があります。以下の関連記事では、雨漏りの修理にかかる場所別の費用相場を紹介しています。
応急処置の重要性
雨漏りの際に応急処置を行わなければ二次被害が発生してしまいます。二次被害とは具体的に次のようなものです。
- シロアリが発生し建物が腐る
- カビが広がる
- 壁や天井に染みができる
- 漏電する
- 火災が発生する
雨漏りを放置すると二次被害によってどんどん建物は傷んでいってしまいます。またカビによる健康被害も考えられます。これらを応急処置することで防げるのです。
ただし応急処置はあくまで時間稼ぎにすぎません。雨漏りの被害を広げないために、応急処置を施したら速やかに業者に修理を依頼しましょう。
落ちてくる水はバケツで受け止める
天井からポタポタ雨漏りしている場合は、落ちてくる水をバケツで受け止めましょう。床や壁、家具などがぬれるのを防げます。
用意するものはバケツと雑巾、ブルーシートです。家にあるもので簡単に応急処置できます。具体的な手順は次のとおりです。
- 雨漏りしている場所の下にブルーシートや新聞紙などを敷く
- 雨水が落ちてくる場所にバケツを置く
- バケツの中に雑巾やタオルを入れる
バケツの中にぞうきんやタオルを入れておくと、水滴が周りに飛び散るのを防げます。ただし水の量が多くなると効果がなくなるため、バケツの中の水は小まめに捨てましょう。
また少し手間がかかりますが、屋根裏に入れる方は雨漏りしている箇所を特定し、その下にバケツを置けるとなおいいです。雨水が室内に入らないので、天井が腐る心配がなくなります。
窓から漏れる水はタオルで吸い取る
窓やサッシから雨漏りしている場合は、漏れる水をタオルで吸い取りましょう。窓周りの壁などが腐るのを防ぎ、カビの発生を抑制できます。
必要なものは雑巾やタオルとビニールシートです。応急処置をする前にカビが発生しやすいカーテンははずしておきましょう。具体的な手順は次のとおりです。
- カーテンをはずす
- 窓の下にビニールシートやゴミ袋などを敷く
- ぬれている箇所に雑巾を置く
窓の下にビニールシートを敷くことで、雨水が床に広がるのを防げます。ゴミ袋でも代用可能です。
内側からできる雨漏りの修理
応急処置だけではバケツやタオルの取り換えなどで、雨漏りに時間を取られ続けてしまいます。内側からできる修理で一時的にでも水の侵入を防ぎましょう。具体的な応急修理の方法をお伝えします。
防水テープやコーキング材を使う
屋根裏や窓サッシからの水漏れの場合、防水テープやコーキング剤を使うのが効果的です。アルミ製の防水テープやシリコン製のコーキング剤で雨漏りを防ぎましょう。
具体的な手順は次の通りです。
・防水テープの場合
- テープを貼り付ける部分の水気やホコリを拭き取る
- テープが重ならないように雨水の流れに逆らって貼る
防水テープは水の流れに逆らって貼ると、接着面に雨水が浸入しにくくなり効果的です。たとえば窓のサッシであれば下から上にテープを貼っていきます。
・コーキング剤の場合
- 雨漏り箇所の水気やホコリを拭き取る
- 周囲にマスキングテープを貼る
- 接着力を上げるためにプライマーを吹きかける
- プライマーが乾いたらコーキング剤を充填する
- コーキング剤が乾く前にマスキングテープをはずす
以前充填したコーキング剤にひび割れやはがれがある場合、古いコーキングをはがしてから新しいものを充填しましょう。
はがれた壁紙を修理する
軽度の壁紙のはがれや浮きであれば、自分で修理可能です。ジョイントコークなどの壁紙用接着剤を使用して補修していきましょう。
具体的な手順は次のとおりです。
- 下地に汚れやカビがないか確認する
- 下地の汚れや水気をしっかり拭き取る
- ジョイントコークを塗る
- はがれた方向と逆向きに壁紙を押さえて貼り付ける
- ローラーで空気を抜いて密着させる
まずは下地の状態をチェックします。カビている場合は下地の交換が必要なため、内装業者に交換を依頼しましょう。ジョイントコークを塗る際は、金属製のヘラを使うのがポイントです。ムラなく全体に接着剤を伸ばせます。
雨染みをキレイにする
天井や壁にできた雨染みは漂白剤でキレイにできます。ただし漂白剤をそのまま使うと色落ちの可能性があるため注意が必要です。
具体的な手順は次の通りです。
- 漂白剤を水で薄める(10~50%)
- 薄めた漂白剤を霧吹きなどで雨染みに吹き付ける
- 吹き付けた部分を水拭きする
- 乾いた布で染み部分の水分を拭き取る
漂白剤を使った部分が白くなる場合があるので、まずは隅の目立たないところでテストしましょう。また漂白剤を使う際は手袋とマスクを着用し、しっかりと換気して作業することが重要です。
外側の修理は業者に依頼しよう
外側の修理は素人には作業が難しく、高所で危険も伴うため、業者に依頼するのがおすすめです。雨漏り修理を業者に依頼する際の相場やポイントを紹介します。
屋根の修理は危険がある
屋根の修理は高所作業なためケガをする危険性があります。また作業自体も素人には難しく、自力で修理しようとしてかえって状況を悪化させてしまう場合もあります。そのため屋根の修理を自力で行うのはおすすめできません。
無理せず業者に依頼するのがいいでしょう。自力で行う場合は必ず2人以上で、ヘルメットと安全帯を装着し、安全に十分配慮する必要があります。
依頼したときの相場
雨漏り修理の相場は、業者や屋根の状態によりさまざまです。具体的な相場を以下に紹介します。
修理内容 | 費用相場 |
屋根葺き替え | 約800,000~2,000,000円 |
屋根カバー工法 | 約700,000~1,500,000円 |
屋根・外壁塗装 | 約200,000~1,000,000円 |
外壁全体 | 約700,000~2,000,000円 |
ベランダ | 約50,000~500,000円 |
天井からの雨漏り | 約50,000~200,000円 |
サッシ・窓・天窓 | 約10,000~300,000円 |
その他部分修理 | 約5,000~約100,000円 |
部分的な修理ではおよそ5000~100,000円が費用相場です。軽度の雨漏りの場合はこの金額を目安に見積もりを確認しましょう。
雨漏り箇所が複数の場合や規模が大きく全体の施工が必要な場合は、1,000,000円ほどかかる場合もあります。金額が大きくなるため、お住いの自治体で助成金が受け取れないか確認してみましょう。
業者選びのポイント
雨漏り修理業者を選ぶ際のポイントは次の三つです。
- 対応が親切・丁寧か
- 実績や評判が高いか
- 保証が充実しているか
業者を選ぶ際はホームページや問い合わせなどで上記のポイントを確認しましょう。また業者を選ぶ際は、複数の業者に見積もりを依頼し比較検討する「相見積もり」がおすすめです。相見積もりを取ることで、安くて信頼できる業者をみつけられます。
相見積もりを取る際は一括見積もりサービス「ミツモア」を活用しましょう。ミツモアなら1度簡単な質問に回答するだけで、複数の業者に見積もりを依頼できます。
自分で修理できない雨漏りは業者へ
軽度な雨漏りであれば内側から修理可能です。外側の修理と違い作業が簡単で危険も少ないので、雨漏りを見つけたらまずは自分で対処できないか試してみましょう。
ただし内側からの修理は応急修理の意味合いが強く、根本的な原因の解決にはなりません。そのため雨漏りが発生したら内側から応急処置を施し、速やかに業者に修理依頼が必要です。
業者を選ぶ際は相見積もりを取り、納得した上で信頼できる業者に修理依頼しましょう。
ミツモアでは豊富な経験と知識を持ったプロに雨漏り修理の見積もりの依頼ができます。まずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?
引用元:ミツモア